まだ見ぬ価値を探して
RROOM始まりのストーリーをお届けしたVol.1に続き、今回は第1号物件「UMBRA」に辿り着くまでの道のりについて、売主であるMASUYA ASSET PARTNERS ASIA Pte. Ltd.の大本 裕一さんに話を伺いました。

大本さんは大学で建築を学んだのち、2009年-2018年まで日本企業でオフィスビル等の不動産投資・再生事業に従事。2018年より株式会社桝屋アセットパートナーズへ入社し、現在はシンガポールをベースにタイ・カンボジア・日本を横断し、海外不動産に関して様々な事業を仕掛けていらっしゃいます。
バンコクで住まい領域の
新たな火付け役になる
桝屋アセットパートナーズのルーツは、100年以上にわたり事業を続けてきた企業グループにあります。もともとはグループが保有する資産の運用という観点から収益不動産への投資を始め、現在では不動産投資に加え、既存不動産の再生や開発、海外事業などへ領域を広げ、国内外で積極的な投資を行ってきました。
2023年にはアジアでの事業展開をさらに進めるため、シンガポールにMASUYA ASSET PARTNERS ASIA Pte. Ltd.を設立。現在はカンボジア法人の統括に加え、タイでの不動産事業にも取り組んでいます。その新たな挑戦のひとつが、中古コンドミニアムの再生事業「UMBRA」です。なぜバンコクで事業を仕掛けようと思ったのでしょうか。

アジア圏で仕事をするうち、バンコクの多様性を受け入れる寛容な文化とそのユニークな魅力に惹かれていきました。
不動産市場に目を向けると、バンコク中心部では開発可能な土地が限られているため、近年供給される新築コンドミニアムは専有面積が小さく、似通った商品企画の物件が多くみられる状況です。一方、築年数を重ねたコンドミニアムには専有面積の広い物件も多く、その市場規模は年々拡大しています。こうした市場のギャップの中にビジネスチャンスがあるのではと考えたんです。
そして何より、ある “変化の兆し” を感じたことが大きかったですね。
大本さんはこれまで7年に渡り、数ヶ月に1度の頻度でバンコクに滞在。そこで、日本が歩んできた流れと同様の “リノベーションが住まいの選択肢の当たり前になる” 兆候を感じたと言います。
私が建築学生だった2000年代、まだ日本の人々は “新築志向まっしぐら” という感じでした。家を買うとなると新築ばかりが選ばれる。しかし購入と同時にその資産価値は下降線を辿り始めます。
一方、少し視野を広くしてみると、この頃から商業領域においてリノベーションされたカフェや店舗、1棟ビルが増え始めたんですね。ここに関しては、すでにバンコクでも同様のムーブメントが起きています。

既存ストックを生まれ変わらせる “リノベーション” という手法は、そうした商業空間から徐々にメディアで取り上げられるように。次第に感度の高い方々から自宅をリノベーションするようになり、間取りや内装、個々のセンスが現れた空間は、アートやカルチャー、建築の雑誌で次々紹介され始めました。大本さんは、日本で商業から住宅に転用されていったように、バンコクでも同様の流れが起きるのではないかと予想しています。
リノベーションで叶えられるのは、何も空間デザインだけではありません。中古であれば、新築よりもずっと安く家を所有することができる。そこにリノベーションのコストをかけたとしても、総額には大きな差が生まれます。また新築に比べ、資産価値も下がりにくい。そのことに、まだバンコクの人々は気がついていないのではないか―― そう感じたんです。

自社で内包する形でも再販事業は実現できましたが、敢えてRENOVERUと協業する道を選びました。それは一体なぜなのでしょうか。
日本で仕事をしていたとき、外部の会社さんと共に水辺の1棟ビルをコンバージョンしたことがありました。自社ですべての領域をカバーすることも可能でしたが、外部の専門家とコラボレーションすることで、大きくブレイクスルーできた実感があったんです。自分の中で、忘れられない成功体験でしたね。
今回のプロジェクトを始めるにあたって社長の山下さんとお会いし、その人柄や熱意、仕事のスピード感、ご自身で現場に出向く姿に感銘し、ぜひ一緒にお仕事してみたいと思いました。
変わらぬ価値を維持し続ける
ターミナルAsokeの魅力
バンコクでの不動産再生事業にポテンシャルを感じた大本さんは、早速RENOVERU(THAILAND)担当者とともにコンドミニアム探しに移りました。そこで出会ったのがLas Colinasです。
Las Colinasの最寄り駅「アソーク」は、バンコクの大動脈を走るBTS(高架鉄道)スクンビット線とMRT(地下鉄)ブルーラインの乗り換え駅で、バンコク内で2番目の乗降者数を誇ります。まさにバンコクの交通結節点のすぐ側に立地しているわけです。商業・ビジネスの中心地で、常に活気に満ち溢れた場所。
また、バンコクの他のCBD(中心業務地区 / サイアム・シーロム・プロンポン)へも乗り換えなしで行くことが可能なため、東京で例えるなら「渋谷」に近いかもしれませんね。本当に駅の目の前なので “え、ここホテルじゃなかったの?” と言われることも少なくありません。

ターミナル駅の程近くであれば周辺の賑わいはもちろん、電車に乗れば他の街へのアクセスも快適。また幹線道路に面しているため車移動にも便利―― ですが、ここは渋滞の要所でもあります。
タイの富裕層の方々は、郊外にゆったり過ごせる家を所有されているイメージです。例えば通勤・通学がある平日は交通渋滞を避けるためにもこちらで暮らし、週末は郊外へ、という2拠点暮らしも選択肢としてあるのではないかと思いました。またLas Colinasは高速道路出入口にも近く、空港をはじめ、東西南北への車移動にも便利です。
外国人の方々においては、ターミナル駅まですぐという立地が何よりの魅力です。都市の高密度化が進むほどその希少性は際立ち、価値を維持したまま次世代まで引き継がれていく資産だと感じます。

都市部に建つコンドミニアムは数あれど、これだけの立地に建つものとはそうそう出会えない。そう確信し、購入の検討を進めていったのだそう。
経過した年数こそが
価値を証明する判断基準に
目の前に巨大ショッピングモール「TERMINAL21」が聳え、「Em Quartier」や「Emporium」などの世界的ブランドが集まる商業施設にも徒歩圏内。1日を通して人通りの多い場所だからこそ、コンドミニアムの管理体制には注意を払ったと言います。
こちらのコンドミニアムは竣工以来、管理組合(ジュリスティック)が一貫して管理してきました。技術的なメンテナンスの丁寧さに加え、スタッフは各住戸のオーナーの顔を把握しており、見慣れない人物が建物に入る際は即座に反応します。人の目による行き届いたセキュリティ体制も、30年の時を経て継承されてきた価値と言えます。

また購入前、エントランス横のベンチにしばらく腰掛け、どのような方々がお住まいなのか観察したんです。すると、おそらく分譲時に購入された方々だと思うのですが、品の良いご高齢の方を何人も見かけました。“この方々が選んだコンドならば間違いない”。そう感じました。
中古コンドミニアムの良いところは、これまで積み重ねてきた管理体制や、すでにお住まいの方々の顔が見えるところ。入居後どのような管理がなされ、どのような方が入居するのか分からない新築とは大きく異なる部分です。
さらに “タイの東京大学” と言われるチュラロンコン大学出身のシニアエンジニアたちが構想し、現在の市場水準では再現できない基準で建設された建物も魅力です。共用ロビーなどの広さには、床面積を平米単価で切り売りしなかった時代の考え方が反映されています。また使用されている資材、構造仕様、プロポーションのいずれも、現在の建設コストでは再現ができないものです。

高い天井に煌めくシャンデリア、大理石の床や壁、木材をふんだんに使用したプールやジムなど、30年前の意匠が良い味となって丁寧に住み継がれています。
交差点の角から見る
ここでしか得られない眺望
さらに購入の決め手となったのは、コーナーサッシやバルコニーから見えるダイナミックな景観でした。
Las Colinasの棟内で、最も眺望の良い南西の角住戸です。駅前ということもあり周辺は高層ビルが密集していますが、幹線道路の交差点近くとあって建物との距離が取れており、線路の向こうには「ベンジャキティ公園」の豊かな緑を望みます。サンセットの景色や夜景も本当に素敵なんですよ。バンコクの中心地に居を構えていることを、この景観から日々実感していただけると思います。

目の前に幅員の広い道路やターミナル駅があるとなれば、この景観が大きく変わる可能性は低く、さらに18階という高層に所在していることも功を奏しています。
166㎡という広さは近年都心部において供給数が少ないカテゴリーに属しますし、建設コストの上昇により多くの新築物件が機械式駐車場へ移行するなか、こちらの住戸には自走式の駐車場が2台分付いているのも大きな差別化ポイントです。
交通やビジネスの要所、管理の行き届いたコンドミニアム、ここでしか手に入らない景観、広い専有部、そして2台分の専用駐車場―― ここには、魅力的な要素が揃っています。
日本で培った知見を
バンコクの未来に活かしたい
同社にとっても初となる中古コンドミニアムの再生事業。購入者への “約束” について伺いました。
バンコクの不動産取引ではAs Is(現況引き渡し)が基本ですが、売主として責任を担保する期間を設けたいと考えています。また透明性のあるお取引のため、工事の履歴についてもきちんと開示します。安心してお住まいいただけるよう、最善を尽くすつもりです。
最後に、大本さんはまっすぐな眼差しで、バンコクで思い描く未来について語ってくれました。

日本でも多様なプレイヤーがリノベーション領域に参入していったように、このプロジェクトをきっかけにたくさんの組織や企業、ゆくゆくは政府や官公庁まで興味を持ってくれたらいいなと思っています。
どこかの専売ではなく、みんなで手を取り合って。リノベーションがバンコクの住まい領域を支えていく未来を、共につくっていきたいと思います。
次回のJOURNAL Vol.3では「UMBRA」のリノベーションについて、時系列に沿ってご説明します。間取りや内装に込められたコンセプト、日本の中古マンションとの違い、現地での施工についてなど、たっぷりとお伝えします。どうぞお楽しみに。
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